高血圧は割と発症している人の多い現代病の一つですが、この高血圧を放っておくと脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる重大な病気を併発する可能性がある恐ろしい病気です。
その為、今すぐに命に係わることはないからと、そのままにしておくのは危険ですので、しっかりとした治療を進めていく必要があります。
高血圧の治療を始める当たっては、まず高血圧になってしまう原因を知る必要があり、原因を知る事で自身が何故高血圧になっていて、何を改善すれば高血圧を治すことができるのかもおのずと見えてくるでしょう。
ここでは、高血圧になってしまう原因について詳しくお伝えをしていきますので、自身がどの原因に当てはまっているのかを確認しながら原因を知って、高血圧の改善に役立ててください。

高血圧と塩分量の関係について

高血圧の原因は様々あり、飲酒や喫煙なども原因の一つですが、原因と聞いて真っ先に思い浮かぶのは塩分量ではないでしょうか。
確かに血圧と塩分量の関係は昔から言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか見ていきましょう。

実は、確かに塩分を摂り過ぎることによって高血圧になってしまう可能性がありますが、これはあくまでも原因の一つであって、中には塩分が原因で高血圧になっている訳ではないという方も少なくありません。
そもそも高血圧と塩分量の関係が注目されたきっかけは、塩分の摂取量が多い民族ほど高血圧の発症率が高いという統計学によるものでした。
それがきっかけとなり塩分の過剰摂取は血圧を上昇させるのではという考えに至り、それが一般にも広がっていきました。
しかし、塩分の過剰摂取は、高血圧になる方もいる一方で、どんなに塩分を摂取しても血圧には影響が出ないという方もいて、これは喫煙によって肺がんになる方もいればならない方もいるのと同様に、塩分で高血圧になる食塩感受性とあまり影響を受けない食塩抵抗性に分かれる事が分かっています。

実際に高血圧を発症している方の中でも、この塩分の影響を受ける食塩感受性の方は50%以下とも言われていて、全体における割合としては10%とも30%~40%とも言われています。
これは昔から言われていたことで、その歴史は50年から60年前になるのですが、これまでは高血圧の仕組みの解明が進んでおらず、この考え方の証明をするにも根拠が乏しかったのですが、近年は研究が進み食塩感受性における高血圧の解明も進んでいます。
食塩感受性によって起こる高血圧は、一般的に言われている塩分の過剰摂取による高血圧ですが、メカニズムは単純で、人間の身体は塩分濃度を一定に保とうと働くのに対して、塩分を摂取することで、身体は水分を欲します。
すると喉が渇きますので水分を摂取すると、体の塩分濃度は低くなりますが、それと引き換えに血液が薄まって血液量が増加してしまいます。
血管の容積は多少の収縮はあるものの、水分を摂取しただけでは血管が拡張する事はなく、結果血液量だけが増えて、増えた血液量の分だけ血管に与える圧力が強くなるというメカニズムです。

これは腎臓が正常な方であれば塩分の排出機能が働いて、体外に排出することができ、血液の量も正常に戻るのですが、腎臓に何かしらの異常がある場合には塩分の排出が正常に行われずに体内に残ってしまいます。
このタイプの方を食塩感受性と呼び、塩分によって血圧が上昇してしまうタイプの方になります。
食塩感受性によって高血圧になっているのであれば、食生活を改善して塩分の摂取量を減らせばよいのですが、先ほどもお伝えをした通り食塩感受性によって高血圧になっている方は非常に少なく、日本人の場合には20%程度と言われています。
そして残りの50%は食塩非感受性で、残りの30%は塩分に加えて飲酒や喫煙、疲労などの他の原因が結びついていると考えられています。

では、ここからは塩分以外の原因について見ていくことにしましょう。
まず塩分と同様に高血圧の大きな原因として知られているのが飲酒や喫煙ですが、この飲酒と喫煙は高血圧にどのように関係しているのでしょうか。

飲酒
飲酒をすると一時的には血管が拡張して血圧は下がりますが、日常的に摂取を続けると血圧は上昇します。
また過剰摂取をした場合には血管拡張後に血管の収縮作用が強まり、血圧が一気に上昇することがあります。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血圧を上昇させる部分を刺激しますので、タバコ1本でも血圧の上昇は約15分間持続します。
これはヘビースモーカーになると、血圧が下がる暇もない状態になってしまいますので、常に血圧が高い状態を維持してしまいます。

このように塩分だけではなく、飲酒や喫煙が高血圧の原因になる事もありますので、特に喫煙に関しては百害あって一利なしとも言われていますので、できる限り控えるように心掛けてください。

日本人と欧米諸国の血圧値の違い

日本では高血圧は大病の基になるとされていて、少しでも血圧が高ければ治療を開始するほど血圧に関しては敏感ですが、では欧米諸国と比較したときにその考えは変わるのでしょうか見ていきましょう。
日本人は血圧が140を超えたら高血圧と診断されて、130以上でも血圧が高めと言われてしまいますが、欧米諸国では近年この基準に変化が見られました。
日本とアメリカの国旗世界的な医療基準を研究・策定するアメリカ共同国内委員会が高血圧の基準を緩和する指針を発表したことで欧米諸国では話題となりました。
今まで基準値として定められていたのは、日本人の考えと同様の上が140で、下が90以上としていて、これを超えていればノルバスクやミカルディスなどの薬による治療を開始した方が良いとされていました。
しかし、その基準を下は90のままだったのですが、上は150まで一気に引き上げられました。

また、高血圧のガイドラインが適応されるのは60歳以上だけとしていて、30歳から59歳までの国民に関してはしたが90を超えれば高血圧を判断できるが、上に関してはどんなに上昇したとしても、医学的根拠がないとして、基準値そのものの制定すらされていません。
さらにアメリカをはじめとする欧米諸国では30代未満に関しての基準値は、上も下も含めて設定されておらず、そもそも血圧を下げる必要はないとまでされています。

一方で日本人の間では、高血圧学会が策定したガイドラインを基にした考え方が浸透していて、年齢に関係なく一律に上が130以上、下が85以上であれば血圧が高いと診断されています。

欧米と日本では考え方が異なる

欧米諸国の考え方は、全身に血液を送るポンプの役割を担っている心臓と血管は、加齢と共にその機能は衰えていきますので、年齢を重ねるごとに血圧が高くなるのは自然なこととしています。
それどころか、逆にポンプの力を高めなければ体の隅々まで血液を送ることができなくなるので、年齢が上がれば上がるほど基準となる血圧値も上昇していく必要があると考えられています。
日本人のように高血圧の基準を年齢に関係なく一律に設ける事は、この自然の摂理を無視した行為であるとも考えられていて、それほど日本人と欧米諸国の血圧に関する考え方には大きな違いがあるようです。

このように日本人と欧米諸国では血圧に関する考え方の違いはあるものの、その原因の一つとしては、血圧と寿命や病気の関係がハッキリしていないことが考えられます。
その為、それぞれの国によって基準値は異なりますが、その基準値も過去に頻繁に変化してきました。
しかし、日本人として日本で暮らしている以上は、やはり日本の基準を無視することができませんので、ここからは日本の血圧値に関する基準についてお伝えをしていきます。

日本人の血圧の基準

今現在日本では、上が140以上で下が90以上が高血圧であると診断されています。
ですので、自宅などで血圧計を使用して測定をしても、上は140以上を超えていなければ正常値として高血圧とは判断されませんが、実はこの140という血圧値は病院などの外出時に測定をした血圧値であり、自宅でリラックスしているときには、外出時よりも低くなる傾向にあります。
ですので自宅では135以下が正常な血圧の目安と言われています。
さらに詳しく分類すると120~129までが正常血圧とされていて、130~139までが正常高値と分類されています。
そして119以下が至適血圧が最も理想的な血圧という事に日本では定められています。

血圧に関しては、各国で様々な意見が挙がっていて、時代によってもその基準値は変化していきます。
そして、確かに高血圧に関する健康も様々な考え方がありますが、一つ言えることは低すぎる血圧も高すぎる血圧も健康を害す恐れがあるという事で、大切なことは血圧に異常をきたすとされている原因を取り除いていき、規則正しい生活習慣を心掛けた結果の血圧が正常だという事ではないでしょうか。

高血圧はストレスでもなる

高血圧による塩分の関係、さらには飲酒や喫煙の関係についてもお伝えをしてきましたが、当然それ以外の原因によって高血圧になる事もあり、中には疲労やストレス、睡眠不足などによっても高血圧となる事もありますので、その点に関して詳しく見ていきましょう。
昔から日本人は働き過ぎだと言われていて、毎日のように夜遅くまで仕事をしているという方も少なくありません。
そうなると疲労やストレスが蓄積されていきますが、この現状が多くの日本人の血圧を上昇させているのではと懸念されています。
アメリカでは労働時間と血圧に関する研究も行われていて、実際に労働時間が長ければ長いほど高血圧の発症率も高くなるという研究結果があります。
誰でも労働時間が長くなれば疲労とストレスは蓄積されていきますので、労働時間と血圧の関係は疲労やストレスと血圧にも深いつながりがある事を意味しています。

ストレスに悩まされる男性では具体的なストレスと血圧の関係ですが、精神的なストレスや緊張は体内でノルアドレナリンと呼ばれる興奮性のホルモンが分泌されます。
このノルアドレナリンは血圧を上昇させて血液中のコレステロールを増加させる働きがあります。
また過度なストレスがかかる事で、神経の緊張状態が続いてしまい交感神経が活発に働きます。
すると活発になった交感神経の働きによって血管を収縮させようとして、血流の流れが悪くなってしまいますので、心臓はさらに大量の血液を強い圧力で押し出す必要ができて、血圧の上昇につながるという仕組みです。

このように過度な疲労やストレスは高血圧とも深い関係にありますが、この他にも高血圧になる可能性がある要因があります。
それは睡眠に関する事ですが、実は睡眠不足やいびきにも高血圧になる原因が潜んでいました。

ストレスが睡眠不足の元になる

先ほど疲労やストレスが高血圧に大きく関係しているとお伝えをしましたが、当然ストレスを溜め込むと、睡眠にも障害が生まれることがあります。
中には強い疲労感を感じているにもかかわらず、なかなか眠れずに睡眠不足になってしまう方もいます。
現在日本では5人に1人がストレスなどを理由として、睡眠不足を感じていると言われていますが、睡眠時間が5時間以下の方は睡眠時間が7時間から8時間程度の方と比較して、高血圧の発症率が2倍に増えるという報告がされています。
ですので、睡眠時間が短く、血圧も高めだという方は睡眠不足を疑ってみた方が良いかもしれませんが、睡眠時間は適切に確保できているにもかかわらず寝不足を感じる方はいびきによる睡眠不足の可能性もあります。
そもそも、いびきをかくという事は睡眠中に呼吸の通り道が狭くなっていることが原因として考えられます。

睡眠時無呼吸症候群とは

ひどい場合にはいびきの途中で無呼吸状態になる、いわゆる睡眠時無呼吸症候群になる場合があります。
この睡眠時無呼吸症候群は高血圧の方の約3割から6割が持っているとされていて、高血圧の危険因子として深いかかわりがある事が分かっています。
では、何故一見関係がないように思えるいびきが血圧の上昇をさせてしまうのでしょうか見ていきましょう。

睡眠中にいびきをかくという事は、呼吸の通り道が狭くなっているという事ですので、そうなると血液中の酸素が不足してしまいます。
血液中の酸素が不足をしてしまうと循環する血液量を増加させて不足している酸素を補おうと働きますので、その増加した血液量によって血圧も上昇するという仕組みになります。

いびきは肥満の方に多いイメージではありますが、疲労やストレスによって引き起こされることもありますので、ストレスや疲労感によって高血圧になり、さらにストレスや疲労感によって睡眠不足やいびきにつながると、さらに高血圧になる可能性が高くなってしまいます。
大切なことは疲れやストレスを溜め込まないように注意して、もしも睡眠中にいびきをかいているようであれば適切な対処をする事です。